今日は、久々に直心館の一期生の二人に会いました。中学には剣道部が無く、他の部活に入部したので、両立が難しく直心館を去ってしまった二人。でも、志望する高校には剣道部があるので、再開することも考えているようです。久々に会えただけでうれしいのに、剣道を再開してくれたらなおうれしいです。また一緒に稽古できたらいいのにな〜(>_<)
「剣道人口を増やしたい。」「剣道の楽しさを伝えたい。」「そのために自分ができることは何なのか。」
いつもそんなことを考えているけれど、頭の中で考えていても分からないので、妻に協力してもらいながら、自分の考えをマッピングしてみました。
すると、今の自分にとっての「剣道の楽しさ」は、「相手の心に響くような気持ちのよい一本を打つこと」だということが分かりました。
では、自分が子どもの頃の「剣道の楽しさ」は、何だったのか。思い出してみると、それは「ほめられること」だったように思います。
「直人、いい面打ってたね。」親にほめられる。「直人、うまくなったな。」先生にほめられる。「直人、強くなったな。」出稽古先の先生にほめられる。
それが心地よくて剣道がどんどん好きになっていった気がします。中でも、母親と田中先生にほめられることが自信になりました。
そう考えると、指導者である自分は、たくさん子どもたちをほめてあげることが大事だし、保護者の方により積極的に関わってもらえるようにしていくことが大切だと分かりました。
できるだけ保護者の方に稽古を見てもらう。そして、親子の会話を増やす。よかったところや頑張っていたところをたくさんほめてもらう。
そうすればきっと、子どもたちはどんどん剣道が楽しくなるのではないかと思います。
次に、自分が剣道を好きになった理由として、「勝てる」ようになったことも大きかったと感じます。一生懸命稽古をして試合で良い結果が出ると達成感があり、「頑張ってよかった」と心から思えました。だから、技・機会・気の持ち方・攻めなどを教え、試合に勝てるように鍛えてあげたいです。
その次に、「仲間」がいたから剣道が楽しかったのだと思います。いつも稽古をする仲間。競い合う仲間。一緒のチームで試合に出る仲間。喜びを分かち合う仲間。剣道以外でも遊ぶ仲間。そんな仲間がいたからこそ、自分がこれまで剣道を続けてこれたのだと感じます。だから、「直心館」という道場としての連帯感を強めていくこと、厳しさだけでなくアットホームな雰囲気を築いていくことが重要だと思いました。
以上のことをまとめると、
①良いところをたくさんほめる
②保護者の方に稽古を見てもらう
③勝つ喜びを教える
④仲間を大切にする
の4つが、自分が道場主として、今後より意識的に取り組んでいかなければならない課題だと分かりました。
課題に取り組んだ結果、道場がより繁栄し、生涯剣道を続けてくれる仲間が増えてくれればよいなと思います。
直心館では、主として館長が全体指導を行っています。しかし、それだけでなく、指導者が変わりながら指導をしています。田中師範・原先生、仕事の都合で大阪で稽古を積んでいる鈴木先生、中堅指導者研修会の伝達講習をしてくれた朝野先生など、色々な人からの指導を受けることができます。「指導者が変わると人によって言っていることが違い、子どもたちが戸惑ってしまう」というのは、よく耳にすることですが、直心館ではそれが全くありません。「正しくまっすぐな剣道」「相手の心を打つ剣道」「礼儀を大切にする」といったことをみんなが自然と意識し、指導に一貫性があるので、子どもたちも安心して稽古をしています。指導の枝葉が違うことで、自分に合った表現を見つけることができたり、理解を深めることができたり、良いところがたくさんあります。また、指導者も色々な指導方法を学ぶことができています。これからも直心館では、その強みを生かし、子どもたちをみんなで育てていきます。
本日、豊川剣友会に出稽古に行ってきました。でも、ただの出稽古ではなく、僕にとって今日は特別な出稽古でした。それは、自分を育ててくれた二人の先生が、「豊川」で一緒に稽古をしたからです。
昔の話になりますが、僕が中学校3年生の頃、二人の折り合いが悪くなってしまった時期がありました。そして田中先生は豊川を離れることになりました。遠藤先生・田中先生、どちらも尊敬する先生。自分にとって大切な先生。自分はどうしたらいいのか、中学生ながらに苦しんでいました。「所属がなくなってしまった田中先生の居場所をいつか作りたい。」「いつか二人が仲直りしてほしい。」「自分がなんとか仲直りさせられないだろうか。」そんなことをずっとずっと考えてきました。
そして、時が経ち、直心館を作り、田中先生を師範に迎え、目標が一つ達成されました。道場開きでは、遠藤先生と田中先生が同じ集合写真に写ってくれたので、僕は密かに喜んでいました。そして「今度は田中先生と一緒にいつか豊川に行きたい。もうなんとなく雪解け状態ではあるけど、豊川に稽古に行くことで本当の意味での仲直りができたらいい。」と考えるようになりました。
そして、今日、ついに自分の大きな目標が達成されました。田中先生が豊川に戻ってきました。遠藤先生と田中先生が隣に並んで整列し、隣に並んで稽古をし、自分が小さい頃から見てきた光景を久々に見ることができました。稽古の後には、二人の先生と並んで一緒に写真を撮りました。本当の意味での仲直りができました。
当時15歳だった僕は、今年33歳になりました。仲直りに18年もかかったけど、尊敬する二人の先生のわだかまりを解消することができて本当に良かったです。遠藤先生・田中先生、これからもよろしくお願いします。
やっぱり・・・「仲良しがいい!」