道場開きから丸七年を迎え、玄関を出入りする人々を見守ってきた看板もだんだんと色あせてきていました。この看板は、直心館が完成する何か月も前に、館長が高揚する気持ちを抑えきれずに欅の一枚板を取り寄せ、妻の祖母に魂を込めて書いてもらったとても大切なものです。風化していく味を楽しむのもよいかと考えていましたが、この気持ちのこもった文字が消えてしまったら悲しいと思い、手を加えることを決心しました。そして、昨年の稽古納めで外した看板が、今年の稽古始めに合わせて道場の玄関へ戻ってきました。看板を手掛けてくれたのは、会員の小野澤君兄弟のお父さん。材木店を営み、忙しくしている中で、「道場のために」と時間を作って、魂を込めて作業をしてくださいました。看板の文字部分を彫り、中に色をつけ、木目を生かすように全体に磨きをかけ塗装をし、パワーアップして戻ってきました。自分が心から大切に思っている大事なものを、さらに良いものにしてくれた小野澤さんは本物のプロフェッショナルです。本当にありがとうございます。この看板は、これからもずっと、道場を出入りする人々を見守ってくれるはずです。大事に大事にしていきたいです。
生き方がかっこいい
強い先輩方と
夢を語る。そして実現する。
本道場の小野澤くんが、小田原市の「二宮金次郎とわたし」作文コンクールで優秀賞に選ばれました。全文を紹介したいと思います。
「見えない努力」
ぼくは、二宮金次郎について酒匂川のはんらんを防ぐために松の木を植えた事と村を復興させた事しか知らなかった。調べてみると「百姓には学問はいらない。」と言われても、「二宮家を立て直す」という目標に向かって進んで勉強していた事を知った。また、六百以上の村を復興させるために自分の身をけずって働き、時には反対する村民やいやがらせする人がいる中、自分の信念を曲げずに何十年もの間、人のために小さな努力を積み重ねてきた事を知っておどろいた。二宮金次郎は、自分のやり方が正しいか悩み、リーダーとしての自信を失いそうになった時、二十一日間もの断食修行をした。そして、原点に立ち戻ることができた。このような事はなかなかできない。家族や村民などのために行った見えない努力が他にもたくさんあったと思う。
ぼくは、剣道をやっている。始めて一年になり、三級に合格したり、試合にも出場させてもらえたりするようになった。でも、まだまだ下手くそだ。剣道は、気剣体が一致していないといけないが、なかなか自信のある一本が打てない。そんなぼくが今、大きな夢を持った。それは、「全国大会に出場する」という事だ。剣道の先生は、「夢は絶対に叶う。でも、そのためには他の人の何倍も、何十倍も努力しないと叶わない。」といつも指導してくれる。その事を聞くと、ぼくは金次郎の「積小為大」の言葉を思い出す。村の復興と剣道は違うけれど、小さな事を積み重ねていく事がいずれ大きな成果につながる事は全く同じだと思う。
ぼくも二宮金次郎のように、なかなか成果が出せず苦しい時も人のせいにせず自分を見つめ、正していけるけんきょな気持ちを大切にしたい。そして、全国大会出場を叶えたい。ぼくは、絶対にあきらめない。
・・・素晴らしい作文だと思います。夢を語った時、必ずそれを馬鹿にしたり、「無理だ」と言ったりする人がいます。私も、「全国大会に出場したい。」と言った時、「道場を建てたい。」と言った時、そんな反応をされました。でも、自分は全国大会に出場する夢を叶え、道場を建てる夢を叶え、他にも自分の就きたい仕事に就くことができました。夢を叶えられるか叶えられないかは、結局本人の本気度の問題だと思います。どんなに馬鹿にする人がいても、成果が出せなくても、めげずに努力を積み重ねていく。そうすれば自然と結果は出ると信じています。直心館の子どもたちには、大いに夢を語ってほしいと思うし、口にしたからには、本気で取り組んでほしいと思います。私は、指導者として子どもたちを全力で応援していきます。人生一度きり。夢を追いかけた方が楽しいと思いませんか?直心館は夢の詰まった道場です。一緒に夢を実現させていきましょう。ホームページを見ている方の入会をお待ちしています。
道場訓
神奈川県で勝ち抜くためには
直心館の子どもたちは確実に力を付けてきています。上級生5人(高2二人、高1二人、中3一人)がそれぞれ結果が出てきました。高体連県ベスト32、中体連県ベスト16は、道場開きから6年8ヶ月の道場としては十分な実績だと思います。本当に素晴らしいし、指導者として直心館の剣道に自信が持てます。でも勝負はここからです。ここから上で戦える、そして関東大会や全国大会に出場できる選手を輩出するには、絶対に覚えなければならない課題があります。それは①引き技を打たれない術を身に付けること、②引き技を打てるようになることです。つばぜり合いをいかに優位に立って進めるかを教えなくてはいけません。そして思い切った引き技を打てるようにしなければいけません。上の写真は、宮坂選手が8掛けの延長戦で打たれた「担ぎ引き面」です。実は直心館でも一生懸命に練習しているところです。でもまだ実戦で使えるレベルまでに磨かれていません。前に出る攻め・技は、直心館の子どもたちに身についてきていますが、引き技はまだまだです。これから重点的に鍛えていこうと思います。そして必ず、近い将来、子どもたちを全国に連れて行きます。
人が集まる道場
一人はみんなのために、みんなは一人のために
本日の五段審査会で純也先生が見事に合格されました。今年もまた直心館から高段審査に合格した人が出ました。うれしい限りです。直心館の合格率がこれだけよいのには理由があります。それは「仲間を大切にする意識」がどの道場よりもあるからです。審査が近付いてくると特に、受審者のために時間を作って一般の人が集まり、地稽古の相手をしたり、立ち合い稽古をしたりしています。そして、動画を撮って分析したり、段位・年齢を超えてアドバイスをしたりしています。「一人はみんなのために、みんなは一人のために」・・・そういった意識が大人の中に根付いていて、「道場の仲間のために自分ができることをしよう」とみんなが考えています。本当に素晴らしい道場です。大人の、こうした仲間を大切にする姿勢は子供達にも当然波及しているはずです。大人たちが仲間を大切にしていれば、子どもたちも仲間を大切にするようになる。大人たちが自分を高めようとしていれば、子どもたちも自分を高めようと頑張るようになる。分かりやすいことだと思います。直心館はまず大人が模範を示す、これからもそんな道場であり続けたいと思います。
メンテナンス
努力の賜物
直心館では、ゴールデンウィークも普通に稽古をしています。今日は中体連の県西ブロック大会でしたが、優勝した宮坂くんをはじめ、中学生はみんな休まずに稽古に来ていました。また、昨日高体連の西相地区大会で優勝した荒井くんをはじめ、高校生たちもみんな稽古に来ていました。普通、試合や部活の後にまた道場で稽古をしようとは思わないでしょう。でも直心館の子供達は当然のこととしてみんな稽古に来ます。高い意識を持って、人より多く稽古をしているのだから、実力が付いて当たり前です。今回、こうして上級生達の結果が出たのはまさに努力の賜物です。本当に素晴らしいです。直心館はこれからまたどんどん良くなっていきます。子供達の成長、道場の発展。最高に楽しいです。